坚持每日更新,告别咕咕咕
1 前言
本来想着好久没复习日语了,什么语法单词只怕忘了好多,正准备拿出以前学过的书翻几遍,结果一本都没找到。哎,随便拿本小说每天看十句五句吧,就当做是学习了(顺便说下Ruby汉字注音真不错)…
作者: 奈須きのこ
小说名: 《DDD1》
发行时间: 2007年
2 02-25
感染者の精神だけでなく肉体をも変貌させる奇病、A異常症患者ーー俗に言う「悪魔憑き」が蔓延る世界。
アゴニスト(英: agonist)または作用薬(作動薬)とは生体内の受容体分子に働いて神経伝達物質やホルモンなどと同様の機能を示す薬のこと。 現実に生体内で働いている物質はリガンドと呼んで区別する。
悪魔憑き(あくまつき)とは憑依の一種で、心身を悪魔に乗っとられたかのごとく周囲に害悪を及ぼす行動、またはそのような行動をとる人のこと。
蔓延る:草木などが繁茂する。よくないものの勢いが盛んになって広まる。
左腕を失った男、石杖所在と、漆黒の義手義足を纏い、天蓋付きのベッドで微睡む迦遼海江の二人繰り広げる奇妙な「悪魔祓い」とはーー!?
天蓋とは、元々は貴人の頭上を守る傘のことです。
微睡む:少しの間うとうとする;眠る。
繰り広げる:順々に広げる; 新しい情景を次々に展開する。
悪魔払い:宗教、民俗信仰において、祈祷・儀式などによって悪魔・悪霊、悪神、魔神、偽りの神を追い払うこと、またその祈祷・儀式・行事である。
「日常」と「非日常」が溶け合う「たった今」の世界を「奈須きのこ」という稀代の才能が描破する!
稀代:世にもまれなこと、不思議であること。
描破:すべてを描きつくすこと。
それは骨の軋む幽かな夜。花開くような、美しい命の音。 ――Decoration Disorder Disconnection
一般说しずか
都是静か
,这里用了幽
这个汉字,可能是为了表现一种诡异的气氛吧。
骨の軋む、微かな音で目が覚めた。夜半、目を覚ますと四肢の感覚を失っていた。
注意失う
是他动词,要用“xxxを
失う”的形式。
3 02-26
透明な蛹に倣う。意識が手の平サイズの小人になって、脳の中に密閉されている。どれほど手足を動かしたところで、眠る軀は動かせない。
倣う:あることを手本として同様に行う;まれる。
意識这里注音成了じぶん。唯一、左腕だけが閉じた意識と繋がっていた。脈打つ血潮を情報として感じ取る。
脈打つ:心臓の鼓動に合わせて動脈が振動する。
血潮/血汐:潮のようにほとばしり出る血;体内を潮のように流れる血。
一部分でしかないモノが、全体にとって代わっていく錯覚。左腕しか動かせない以上、石杖所在という存在は左腕に凝縮される。
凝縮:ばらばらのものが一つに固まって縮まること。
「ーーー、あ」その左腕が、痛かった。ゴリゴリという音が聞こえる。全身が削られていく悪寒。全身が咀嚼されていく快感。自分が、淡々と食われていく実感。
ごりごり:かたい物をかじったときの歯ごたえのあるさま;力を入れて激しくこするさま。
削る(はつる、けずる):「はつる」は職人などの使う特殊な言葉で、一般的な日常会話では使われません。「削る」と漢字で書くと、まず間違いなく「けずる」と読まれるでしょう。「はつる」と読ませたければ振り仮名が必要です。
咀嚼:口の中で食べ物をよくかみ砕き、味わうこと。
左腕が消え去り、ようやく自由を取り戻す。暗闇で、まだハラハラと啜り音がする。毛布をはぐ。
ハラハラ:ハラスメント・ハラスメント(Harassment)とは、自身が「嫌だ、不快だ」と思った他者の行為や言動について、「ハラスメントだ」と過剰に主張する嫌がらせ行為です。
啜る:液状のものを吸い込むようにして口の中に入れる;垂れた涙や鼻汁を息とともに吸い込む。
はぐ(剥ぐ): 表面の部分をむきとる;身につけているものを取り去る。奪い取る。
4 02-27
ベットの上は一面の赤。鼻から下を真っ赤に染めた少女が、砕けたアゴで微笑んでいた。「ーーーだって、お兄ちゃん苦しいでしょう?」
一面:物体の一つの面;物事のある側面;ある場所全体。
砕ける:割れて細かい破片になる。
アゴ:顎
少女は、何かよくないモノに憑かれている。ペロリと平げられた左腕。痛みもなく、噛痕もない。少女は砕けたアゴで断面を舐める。喪われた者、大きな隙間を埋めるように。
憑く:魔物がのりうつる。
ペロリと:「ぺろっと」に同じ。「ぺろり(と)舌を出す」;「ぺろり(と)平らげる」。
喪われる:死者を追悼(ついとう)するために家に籠(こも)って慎(つつし)む;人が亡くなる;(大事なものを)失う、無くす、亡くす。
思い出した。これは夏の終わり、監獄めいた病院からようやく退院して、大学に復学すべきか真剣に悩んでいた頃の話だ。
名詞+めく/めいて/めいた: 「~のような感じがする」という意味の表現です。春、謎、冗談、皮肉、説教などの特定の単語にのみ接続される。
俺はそれなりに顔見知りのご近所さん、木崎さん宅にお邪魔していた。日の沈んだ夜の七時。呼び鈴も押さず挨拶もなしで玄関から忍び込んだのだ。
忍び込む:こっそりと人目につかないようにして中に入る。忍び入る。
いや、ホントは窓でも叩き割るつもりだったのだが、幸い玄関に鍵はかかっていなかったのである。無用心め。こうなると誰が見たってガキのコソ泥だが、困った事に本筋において間違えてはいない。
叩き割る:たたいて割る。たたいて壊す。打ち破る。
文末に使う「である」「のである」「のだ」は、評論や論文などに多用される表現で、通常は強い断定を表します。これらは、相手に強く伝えたい場合、たまに使うにはそれほど気になりません。しかし連発すると、書き手はそんなつもりはなくても、読み手には押しつけがましく「偉そう」な印象を与えてしまいます。
無用心め:用心が足りないこと。警戒を怠ること。物騒なこと。
誰が見たって:誰が見ても。
コソ泥:僅かな物をコソコソ盗む泥棒をいふ;少しの物を盗む泥棒、こそこそけちなことをする泥棒の意。
本筋:本来の筋道。また、正当な道理。本来の血統や流派。
5 02-28
ちょうど一ヶ月前の九月十二日。この夜、俺は確かに金銭目当てで強盗まがいの不法侵入をしたのである。なんでも、志倉坂で一家心中があったらしい。
目当て:目標とするもの;心の中で目指しているもの;物事を行う場合などの基準。
まがい:紛い、本物に似せて作ってあること。にせもの。
一家心中:一家そろって自殺する(もしくは首謀者が同居家族に対して嘱託殺人を行い自分も自殺する)こと。
報せを受けたのはもよりの交番のお巡りさん。朝一番で木崎家の旦那から電話があったそうだ。「昨夜、親子仲良く三人で首を絞めて自殺した。このままだと近所の方々に迷惑をかけるから、出来るだけ早く片付けにきてほしい」
もより:最寄り、すぐ近くのあたり。
報せ:知らせること;何か事が起こるような兆し。
絞める:手やひもなどで強く押さえつけたり、巻きつけたりする。
性質の悪い冗談だ。が、不幸な事に連絡を受けた巡査はどのあたりが笑点なのか気付くセンスがなく、真っ正直に木崎宅に向かい、玉砕。それきり消息を絶ってしまった。
玉砕:玉のように美しく砕け散ること、大義、名誉などに殉じて潔く死ぬこと。
それきり:其れ切り、それが最後であること;それが全部であること。
昼過ぎになって相棒を捜しにいったお巡りさんも同上。志倉坂二丁目の交番は半日ももぬけのカラで、異状は警察署が知るより早くニュースとして伝播に乗る事はなく、あくまで近隣住民たらの噂話としてである。
もぬけのカラ:蛻の殻、中身や箱の中などが空っぽの状態であることを意味する語;蝉や蛇のぬけがら、人の抜け出たあとの寝床や住居、魂の抜け去った体。
あらやだ、木崎さん家にお巡りさんが入ったきりでてきませんわよオホホ、ところでどうして昨日っから閉めっきりなのかしらねオホホホホ。細かいんだかズボラなんだか分からねえ奥様たちである。
オホホ,奥様たちの笑い音。
ズボラ:行動や性格がだらしないこと。
6 03-01
そんな感じの噂話がご町内をゆっくりと潜行し、耳の早い物好きたちに知れ渡ったのが午後二時過ぎ。物好きたちは俺にもネタのお裾分けをしてくれたようで、昼間のうちに電話があった。
「町内を
潜行し」:を表示动作移动或经过的场所。
物好き:変わったことを好むこと;好奇心が強く、普通と違ったことを好むこと。
知れ渡る:人々に広く知られるようになる;世間の間で存在がまったく珍しくなくなるさま。
裾分け:人からもらった品物や利益の一部分を他人に分けてやること。
無駄話の内容なんざ覚えちゃいないが、着歴にはきっちり時間が記されている。ただいま午後六時四十分、日が沈む前にあった電話は二件、ツラヌイミハヤとカリョウカイエ。
なんざ:対象を一段下に落とすときに使用します;「なんざ」は くだけた感じの男言葉。「なんて」は 少しだけ女性的な感じを受ける。
きっちり:隙間やずれなどがない様子。
記す:文字や文章などを書きつける。
ツラヌイはどうでもいいとして、カイエの方は問題だ。携帯電話は大好きだが電話という行為は大嫌い、という変わり者が連絡して来ただけで不吉である。
変わり者:性質や言動などが、一般の人と違っている人。
そうして午後七時前。日が沈みきった後、三度目の電話があった。相手は非通知。間を取ってから電話に出る。話はこれ以上ないほど簡潔だった。
沈みきる:完全に沈む。
間を取る:まをとる:適切なタイミングをはかること;あいだをとる:対象との距離を適切に保つこと。
男は木崎と名乗り、自宅の住所を口にして、「申し訳ない。つかれたので払ってほしい」 そんな、本気で申し訳ねー台詞で電話を切った。
…这句实在没什么可说的
7 03-02
うっちゃって二度寝したかったが、無視できない理由が三つもある。一つめ、机には大量のメモ用紙。カイエからの忠告だろう、今日一日の木崎家一家心中の顚末がメモってある。
うっちゃって:打っ棄る、打っ遣る、そのままにしておく;しばらくの間干渉せずにおくこと。
顚末:事の初めから終わりまでの経過。
二つめ、今聞いた木崎さん家の住所。志倉坂二丁目ノ七って、うちの三軒隣じゃねえかクソ。
住所の書き方:□□県◯◯市△△町3丁目2番1号
軒:家屋の数をかぞえるのに用いる。
で、最後の三つめ。間の悪いコトに、今日はカイエの義手を借りっぱなしだった。お膳立ては完璧だ。
間が悪い:周囲に対する体面が保てないさま;「運が悪いこと」、「時期が悪いこと」。
っぱなし:〜したまま放(ほお)っておく〜したままにしておく〜の状態がずっと続いている。
膳立て:膳の上に食器・料理を並べること;物事がうまくいくように準備をすること。
うまくいけばマトさんから金一封がでるかもしれない。
金一封:ひと包みのお金、※金額を明示しないときに使う。多分1〜4万円くらい。
犯人逮捕に協力した一般人に金が振り込まれた、なんて話はてんで聞いた事がないが、それでも今後の扱いが少しは優しくなるかもと希望を抱いてみる。
てんで:(打消しの表現や否定的な意味をもつ語を伴って)まるっきり、まったく;(打消しの表現を伴わないで)非常に、とても。
抱く:だく、腕でかかえ持つ;いだく、ある考えや感情をもつ、しっかり守る。
8 03-03
よし行こう。ザッと計算して期待値が労働値を上回りました。
ザッと:細部を問題にせず、おおまかに物事を行うさま;だいたい、およそ;動作がすばやく行われるさま、あっという間に。
出かける前に一通りメモをチェクすると、ことさら重要そうに「目を見ると死ぬ」と赤ペンで書かれていた。
一通り:一つの種類;物事の程度が普通であること;一応、全体にわたっていること。
ことさら(殊更):考えがあってわざとすること;格別なさま(ことさら重要)。
「目を見ると死ぬ」。凄いな、どこの怪談だよこれ。労働値、期待値をわずかに上回る。が、一度やる気になった以上、部屋に戻るのも億劫だった。
億劫:面倒くさくて気が進まないこと。「気が乗らない」「やる気が出ない」といった言葉に言い換えることもできます。「面倒」は「手間がかかること」、「億劫」は「やる気が起きない」という心情を表します。
そんな訳で木崎宅である。忍び込んだ玄関はいい手触りがした。カキとかリンゴとか、硬いのに弾力があるような、瑞々しい肉の感触。
瑞々しい:「若々しく美しい」、「まるで水を含んだようにつやがある様子」。野菜や果物など水分の含まれる植物や人の肌に対して主に使います。
土足で上がる。生活臭が染み付いた木造の壁。歩けば軋むどころかブチ抜きそうな狭くて華奢な廊下。
生活臭:住宅において発生する、日常生活の中で染み込んだ臭いを意味する語;日常生活の雰囲気を意味する表現。
染み付く:色やにおいなどが移りついて簡単にとれなくなる;癖になって、なかなか抜けなくなる。
ブチ抜く:強い力を込めて反対側まで貫いて通す;計画どおり最後までやり通す。
9 03-04
ジリ、ジリリ、と落ち着きなく点滅する電灯。
ジリ、ジリリ:拟声词
点滅:灯火がついたり消えたりすること。
そのくせモノクロ画像のように暗い。黒いフィルムですっぽりと包まれたような家。
モノクロ:モノクローム(monochrome)、「1つの色」を意味し、1色で描画・印刷・表示等された図画のことである。
フィルム:film、カメラによって得られた映像を記録する感光材料である。
すっぽり:全体を余すところなくおおうさま。
居間にはテレビがつきっぱなしで、日曜夕方定番のアニメが流されている。ほら、ある中流家庭の日常を主軸にしたネバーエンディングストーリーですよ。
主軸:中心になる軸;全体の中で中心になる人や人柄。
ネバーエンディングストーリー:NeverEnding Story、《魔域仙踪》。
で、何十年と変わらずに家庭を維持し続けた彼らの前には、維持できなかった人間の死体があった。
这里的两处注音是小说中本来就有的。
母親と娘だろうか。テーブルにつっぷした母親と、床に倒れた娘。そのどちらも、うつぶせでありながらはっきりと天井を睨んでいる。
つっぷす:突っ伏す、急に顔などを伏せる。
床:建物の内で、根太 (ねだ) を立て、地面より高く板を張った部分。そのままで、また畳や敷物などを敷いて生活する;家の中で、一段高く作った所。寝所などにする。
うつぶせる:俯せる、顔を下に向けてからだを伏せる;物を下向きに置く。
はっきり: 物事の輪郭などが、きわめて明瞭であるさま;事の成り行き、人の言動などが確かなさま;気持ちが晴れ晴れして、さわやかなさま。
10 03-05
表情はとても悲しい。一生分の感動を使い果たしたような泣き顔だ。
使い果(た)す/遣い果(た)す:全部使ってしまう。残らず使ってしまう。
今週の磯野某さんは珠玉の感動系エピソードだったのか。いや、理解できない暴力に出遭った時も、人間はこういう顔をするけどね。
磯野:所在、滋賀県伊香郡高月町。
珠玉: 特に優れたもの、傑作などを意味する表現。元は真珠と宝石を意味する語。文学や音楽など幅広い物事について言う。
エピソード:episode
しかしまあ、どうやればこんな死体が並ぶのか。紐で首をくくる自殺は有名だが、頭そのものを回転させて首を折るなんてのは些か力技すぎる。
回転:物が、ある軸を中心としてまわること;物事が、動きをくり返すこと。
力技:力業(ちからわざ)の誤記、誤変換。「力業」は強い力に基づいて行う技や、やり方などを幅広く指す表現。
頭部を大いな万力で固定し、グギッと捻じ曲げたとしか思えない。
万力:工作物を挟んで締めつけ、固定させる工具。バイス。
グギッと:拟声词…
捻じ曲げる:ねじって曲げる;故意にゆがめる。
どうでもいい話ではある。想像できない事をあれこれ推理している状況じゃない。
ではある:「ではある」は、続いて「しかし」「だが」こういう例外もありますと付け足しする時によく使います。「ではない」可能性も少しはある。
あれこれ:いろいろな物や事柄をさす。
11 03-06
盗みに入った先で密室殺人が起きていようと、強盗には関係のない話だ。
ようと/ようとも/かろうと: 仮定条件の逆接を表します。どのような状況であっても変わらないことを後件で述べます。「たとえ」「どれだけ」「どんなに」「いくら」などの語が呼応することもあります。
ほどなくして今週の一家団欒は終わった。
ほど(程)なくして:時間がそれほど経過していないさま。
一家団欒:家族全員が集まって、仲よく楽しみ合うこと。家族団欒。
垂れ流されるエンドロールを後にして、階段に足をかける。
垂れ流す:大小便を無意識のうちに出してしまう;工場廃水や汚水などを処理しないまま、河川・海・下水道などへ放流する;人の迷惑になるものを際限なく放出する。
エンドロール: end roll、映画の終わりに表示される。
足をかける:掛ける、事物の一部分を何かに固定してつながらせ全体の重みをそこにゆだねる;手や足など体の一部をほかの物の上に軽くおく。
家を覆うフィルムは益々汚れていき、二階にあがった瞬間、嘘みたいに変色した。
変色:色が変わること。何かが反映する光を変える行為。
木造の廊下は一転して一面のコンクリートに。黒から白へ。薄汚れた廊下は重苦しい宗教画を思わせる。
一転:ひと回りすること;ありさまががらりと変わること。
コンクリート: concrete、混凝土;鋼材とともに現代の建築・土木工事には不可欠な構造材料である。
12 03-07
「ーーーやべ。寝てるのか、俺」最悪だ。夢と現実が入り混じってやがる。
やべ: やばい
入り混じる:「混じる」を強調した表現。多くのものが混ざり合うさまなどを表す語。一般的には「入り交じる」の表記が用いられる。
何処で入れ替わったのか、廊下の奥の曲がり角には、何か、枯れ木のような人影が立っている。
枯れ木:枯れた木;葉の落ちつくした木。
「あの、神父さんですか?」枯れ木の声はよく通るいい声だった。
通る: 遠くまで伝わる。
クソったれ。物の見事に、木崎さん家とは無関係な夢を見ている。
クソったれ:「糞垂れ」(くそたれ)に同じ。人を悪罵するのに用いる下品な言い回し。
物の見事に:たいそう鮮やかに;完全でまたは欠点のない方法で。
「悪いが神父じゃない。だいたいさ、黒い犬をつれた神父さんなんていないでしょう」
神父:カトリック教会で、司祭などに対して用いる尊称。
13 03-08
「でも、悪魔憑きを助けてくれるって。あなた、映画の神父さんみたいに悪魔祓いをする人でしょう?」
第一处为小说自带的注音
悪魔祓い:祓いは、神道の宗教行為で、天津罪・国津罪などの罪や穢れ、災厄などの不浄を心身から取り除くための神事・呪術である。
「悪魔祓いじゃねえ、悪魔払いだ。響きは同じだけど内容ビミョーだし」
ビミョー:「微妙」をカタカナ表記したもの。若者言葉で、良いとも悪いともいえないどっちつかずの様子、なんともいい難い様子などを意味する表現。
何しろ悪魔と一緒に人間も壊すからな。まともな人間には戻れるけど、社会復帰はまず絶望的。
社会復帰:(スル)病気や事故で正常な社会活動ができなくなっていた人が、回復して再び社会で活動するようになること。
…つーか、本物の悪魔なんて滅多にいないっつの。あんたたちのは立派な病気。
滅多: 思慮の浅いさま、軽率であるさま;ごく当たり前であるさま;度を越しているさま;まれにしかしないさま。まれにしか起こらないさま。
つーか:つーかとは「と言いますか」が崩れた「って言うか」が更に崩れたもので、相手の発言に対し、言い換えたり、反論する際に文頭に付けて使用。
っつの:って言っているの、強調するための語尾です。
ちょい特別な精神障害の一つなんだから、いい加減その俗称やめてほしい。
ちょい:物事の程度や動きがわずかであるさま、ちょっと。
14 03-09
「とにかく俺は神父じゃないし、あんたの病気も神父じゃ治せないよ。
治る:自动词,无可能态;治す:他动词,可能态治せる。
なんとか自分に折り合いをつけてやっていくか、おっきな病院に保護してもらえよ。見たところ、黒犬もあんたには興味なさそうだし。」
折り合い:譲り合って解決すること;人と人との関係。
黒犬:くろいぬ、这里注音为小说自带。
「ーースゴイグルジイ」 雑音が見える。一瞬、床一面に糞のこびりついた廃屋が見えた。
スゴイグルジイ:すごく苦しい;苦しいから、苦しそうに濁音で言ってるの。書き間違いじゃなくて、わざと。
こびり付く:固くくっついて離れなくなる;考えや印象が強く意識に残る。
トラックの間にゴーストがいるCDみたいに。
トラックの間:卡车车道的意思么?
ゴースト:幽霊;テレビの多重像・乱像。
「音飛びしたんでもう一度言うけど、病院いけ」
音飛び:光ディスクなどの再生時に、音が瞬間的に途切れること。
行け:カ行五段活用の動詞「行く」の命令形。
15 03-10
「ああああ!違う、違うって言ってるじゃない…!わた、わたしは病気なんかじゃない、病気なんかじゃないよぅ!
って言ってるじゃない、なんかじゃない:口语中经常见的表达,表示激动的情绪。
今までちゃんと一人でやってきて、ちゃんとママの言う通りにしたでしょう!?
这句实在没啥可以讲的…
毎日勉強して、いい成績をとって、パパがいなくなった代わりにママを喜ばせてあげてたのに、
喜ばせる:バ行五段活用の動詞「喜ぶ」の未然形である「喜ば」に、使役の助動詞「せる」が付いた形。
少し壊れたぐらいでどうしてそういうコト言うの…!」
这句实在没啥可以讲的…
コンクリートの壁が歪む。いや、溶けている。人影の感情の昂ぶりが、廊下自体を溶解させる。
歪む: 物の形が、ねじれたりたわんだりして正しくなくなる;心や行いなどが正しくなくなる。
昂ぶり:一般的には「高ぶり」と「昂り」の混同であり誤りとされる表記。気分などが激しつつ活発になること、興奮することなどを指す。
溶解:溶けること。また、溶かすこと。
16 03-11
危ないなぁ。このままでいたら一緒に溶かされないかなあ、俺。
溶かす、動サ五;溶かされる、受け身形。
「待て。待て待て、冗談抜きで怖いんでちょっと待ってくれ。
冗談抜き:ふざけた話や、おたわむれではない。
…オーケー、少し落ち着こう。俺も見ず知らず人を、病気持ち決め付けて悪かった。」
決め付けて:一方的に断定する、一方的にきびしくしかりつける。
見ず知らずの男を神父扱いするのも何だが、そのあたりは指摘しない。
あたり: 場所・時・人・事柄・数量などをはっきり示さずに、婉曲に言い表す語。
指摘:大切な点や注意すべきこと、欠点や過失などを具体的に取り上げて指し示すこと。
下手に口を滑らせたら殺される。これが夢だろうが何だろうが、殺されるのはよろしくない。
滑る:調子に乗ったまま、事が望ましくないところにまで至る。余計なことを言ったり書いたりしてしまう。
だろうが:は推量の形で、それに接続助詞「が」 がついて、二つのことを並べて、どちらにも縛られない ことを表します。
17 03-12
「けど、神父なんかよりお医者さんを呼んだ方がよくないか?
なんかより…方が…:经常使用的一个句型。
あんたさ、自分は病気じゃないって言うけど、悪魔憑きなんて言われるよりそっちのが良いと思うよ」
言われる:他人から何事かを声を掛けられること、または、評価されること;世間一般の評価や通説・定説であることを示す表現。
きちんと人間扱いされるし、どっちにせよ、普通じゃないのは変わらないんだし。
にせよ:《格助詞「に」+サ変動詞「する」の命令形「せよ」》「にしろ」のやや改まった言い方。
「のだ/んだ」:基本的な意味は「事情説明」です。「事情」というのは、「理由」や「わけ」という意味で、「事情説明」というのは、ある事柄に対して「理由」や「わけ」を説明するということです。
「いいワケないじゃない…!あなた全然分かっていない!わたしはおかしい、わたしはおかしい、わたしは凄くおかしいの…!
いいわける:言葉を使い分ける;正しく判断して言う。
だっておかしいのよ、したいコトとしたくないコトがハッキリ判ってるのに、どっちも飲み込んでるんだもの…!
ハッキリ:明瞭であるさま、画然としているさまなどを意味する表現。
判る:「判る」の意味は「事実などがはっきりする。判明する」です。「判」という字は「判定」「判明」「判断」などの漢字でもお馴染みですが、「物事の優劣・可否などを見分け定めること。判定」という意味があります。
飲み込む:飲んでのどを通す;出そうになった言葉・あくびなどを出さずにおさえる;理解する、納得する。
18 03-13
お母さんは病気だって言うけど、そんな病気あるワケない。
ワケない:訳無い;はずがない、道理がない。
これは悪魔憑きよ。わたしが治らないのはわたしのせいじゃなくて、取り憑いた悪魔のせいなんだから…!」
なんだから:「なので」+「だから」をくっつけたものです。
人影叫ぶ叫ぶ。コンクリート溶ける溶ける。俺びびるびびる。
びびる:気後れする、物怖じする、などの意味の表現。
何しろ頬とか溶けかかってる。
かかってる:be going on.
「うわわ。やば、頼む、助けてくれ。俺こんなところで消化されたくない」
やば: やばい、危ない。1980年代頃から、やばいは若者言葉で「格好悪い」の意味としても用いられるようになった。90年代からは「凄い」「最高」の意味でも使われるようになり、現代では、肯定・否定問わず用いられるだけでなく、意味なく発する。
19 03-14
「なら言い直して。わたしは悪魔憑きなんだって」
言い直す:前に言ったことを別の言い方で言う。
ピシッと指摘。ううう電波さんめ、温度差激しくて扱い辛い。
ピシッと: 容赦のない鋭い調子で物事をするさま;いい加減なところがないさま。
電波系:荒唐無稽な妄想や主張を周囲に向かって公言する者のことを指すスラング。
扱いづらい:それをうまく扱うことが難しい、という意味の表現。
了解。じゃあ、仮にあんたは悪魔憑きだとする。
仮に:一時の間に合わせに物事をするさま;仮定を表す、もし。
とする:…と仮定する、…と考える、…と判断する。
けど、それもわりと恥ずかしいぞ。病気は誰でもかかるから同情されるけど、
わりと:割に、思ったよりも。
かかる:罹る、病気や災難などを身に受ける。
悪魔憑きってのはほら、なんか村八分的なイメージじゃないか」
村八分:江戸時代以降、村落で行われた私的制裁。村のおきてに従わない者に対し、村民全体が申し合わせて、その家と絶交すること;仲間はずれにすること。
イメージ:image、心に思い浮かべる像や情景。
20 03-15
壁の溶解が遅まる。人影は喜んでいる。
遅まる:「早まる」の「早」を「遅」に置き換えたものだ。でもそんな日本語はありません。「早まる」の反対語は「遅れる」はずです。
「違うわ。あなた、神父のクセにそんな事も知らないの?
クセに: 癖に、非難や不満の気持ちを込めて逆接条件を表す。にもかかわらず、のに。
いい、西洋では神さまを信じない人に悪魔は憑くの。
の:结尾,表示断定。女性、儿童多用。
悪魔は人間が隠している汚い部分を表に出して、罪を与えようと訴えるのよ。
表に出る:隠されていたことが見つかって世間に知られた。実際に屋内から屋外に出る事や、仕舞われていた物事が公の場に出る時等様々な場面で使いますね。実際には発表、発見等個別の言い方をします。
訴える:物事の善悪、正邪の判定を求めて、申し出る。
病気なんかじゃないわ。病気ならただ治るだけでしょう?
ただ〜だけ:それ以外にはないと限定して言う表現、硬い表現で書き言葉。
わ:结尾,表示强调,主要是女性使用。
21 03-16
けど悪魔憑きは違う。悪魔さえ去れば、人間ならみんなが持っている原罪を暴いて、その人を綺麗にしてくれるもの」
去る:ある場所から離れる;除いてなくす。
暴く:人が隠していること、気づかないでいることを探り出して公にする、暴露する。
いや、ここ西洋じゃないし。あと、日本の風土じゃ罪と罰は流行らない。
風土:その土地の気候・地味・地勢などのありさま;人間の文化の形成などに影響を及ぼす精神的な環境。
流行る:その時代の人々の好みに合って、盛んに世の中に行われる。
無責任に流行して誰彼かまわず感染するのは、
誰彼:特定しない複数の人をいう語。あの人、この人。
かまわず:構わず、危険性などの通常気にするようなことを気にせずに何らかの動作を行うことを表します。
そういう神々しいのとは違った、人為的で打算的な悪魔だけた。
神々しい:神聖で尊い。
打算的:何事をするにも損得を考えて行うさま。
悪魔:原文此处注音为偽物
「へえ。あんた、敬虔なクリスチャンなんだ。
敬虔:親や神々に対する忠誠心、崇敬心、孝心を意味する。
クリスチャン:Christian、キリスト教の信徒のことである。
22 03-17
ま、そんな裏金洗いみたいな話はおいておいて。
裏金:賄賂(わいろ)などによって動いている金銭。
じゃあなに、そもそも神様を知らなければ、悪魔には取り憑かれないってワケ?」
ワケ:訳、物事の道理。
「そうよ。知識と信仰は別だもの。神様を知らないと悪魔も知り得ない。だから、その」
知り得る:努力して知ることができること、あるいは情報を手に入れる可能性があることなどを意味する表現。
あー、あーあーあー、はいはいはい。「つまり、神様と悪魔は同じって言いたい?」
这句实在没啥可以讲的…
セットとも共犯者とも言うが、まあどっちでもいいだろう。
セット:set、組み合わせて一揃いにすること。
共犯者:犯罪を共同で実行した者。
23 03-18
人影はますます嬉しそうで、コンクリートの溶解は完全に止まってくれた。
ますます:「増々」がどのような内容の文章であっても使用できるのに対して、「益々」は、利益増大・売上向上・商売繁盛・健康増進・出世・大成などといったように、プラスな意味を表現するときに多用されます。
溶けた下から元の木造二階建て、愛すべき中流家庭の廊下が現れる。
愛すべき:いかにもかわいらしい。好かましく感じられる。
ラッキー。寝室のドアも見えてきたんで、ドアを開ければこの夢ともおさらばだ。
さらば:別れの挨拶。 「さようなら」が一般的だが、きっぱりとした別れを表現したいとき、「さらば」と言うこともある。 しかし、「さようなら」も「さらば」も、意味は「そのようであるならば」ということで、「それじゃ、お別れしましょう」とでも言いたいところを後半をぼかした言い方である。
「分かる?神さまはわたしたちを試されているの。選ばれたの。
試す:物事の良否・真偽や能力の程度などを実際に調べ確かめる。
この悪魔さえ退いてくれれば、もとの体に戻れるの!…
退く: ある場所から離れている。
24 03-19
戻れるのに、みんなしてバカにして。こんなの、決して病気じゃない。
みんなして:動作をともにする人数・範囲を表す。
知ってるんだ、わたしじゃない誰かが、わたしをおかしくしてるんだ。
这句实在没啥可以讲的…
そうだ、わたしがママを殴るのも、部屋をビチャビチャに汚すのも、友達みんながバカにするのも、
ビチャビチャ:水などにひどくぬれているさま;水などがしきりにはねる音や、そのさまを表す語。
みんな神さまがわたしを助ける為なんだから…!
為: 原因・理由。
「あ。いや、それは」言いかけた言葉を飲む。
言葉を飲む:言葉を呑む、相手の気持ちを察して、言おうとしたことが言えなくなる。
25 03-20
人の価値観にああだこうだと口を出すのは苦手だし、
ああだこうだ:しきりに何かを言うさま。口うるさいさま。なんだかんだ。
今回のは、つっこんでもあまり面白くなさそうだ。
つっこむ:突っ込む、内面にまで深く入り込む;相手の弱みなどを鋭く追及する;話題を切り出して相方の応答を促す。
「言いたい事はなんとなく分かったけどさ。なんでそんなコト俺に訊くの」
訊く:話をきくのは「聞く」、 音楽をきくのは「聴く」、 人に何かを尋ねるのは「訊く」。
「あなたこそ、なんでそんなコトを訊くの?わたしたち同じようなモノでしょう?ほら。あなただって、体の一部分が欠けっているんだから」
欠ける:一部が抜けたり、なくなったり、不足したりして、不十分、不完全なものとなる。
寝室のドアに手をかける。「懐くなよ他人。俺は食われた方で、おまえは食った方だろう。
懐く:慣れ親しむ。慣れて付き従う。
他人:その事柄に関係のない人。
26 03-21
形が似てるからって、同じ生き物なんて言わないでほしい」
からといって/からって/からとて: 前項で述べる原因一つだけでは、後項は十分に成り立たないこと、そうは言いきれないことを表します。
がちゃ。ドアはすんなり開いてくれた。
すんなり: 物事が滞ることなく、なめらかに進むさま。
白から黒。よかった、こっからは木崎さん家の家庭の事情だ。
こっから: 大阪弁?ここから。
踏み込んだ寝室は薄い闇だった。
踏(み)込む:勢いよく足を踏み出す;一段と深く物事の核心にせまる。
雨戸が閉められ、電灯は豆電球だけ。
雨戸:窓や縁側などの外側に立てる戸。風雨を防ぎ、また防犯のためのもの。
豆電球:小型の電球。特に、懐中電灯などに用いる小型電球。
27 03-22
閉め切っている為か、部屋は蒸し風呂状態で息苦しい。
締(め)切る/閉(め)切る:戸・門・窓などを、全部しめる。また、完全にしめる。
蒸(し)風呂:四方を密閉し、湯気でからだを蒸し温める風呂。サウナ風呂など。
寝室にはベッドが二つ。奥のベッドに背広姿の男が腰を下ろしている。
腰を下ろす:立った状態から、尻を下方に移して地面や腰掛けなどに乗せる動作を示す表現。
こちらには気付いていない。男は背中を向けて、力なくうなだれている。
うなだれる:項垂れる、失望や悲しさ・恥ずかしさなどのために、力なく首を前に垂れる。
体格からいって木崎さん家の旦那さんだろう。
〜からいうと / 〜からいって / 〜からいえば:〜を考えると / 〜から判断すると。
一階の二人と違って首は正常、まだまっとうな人間のカタチ。
まっとう:全う、まともなさま。まじめなさま。「全うな人生」「全うなやり方」
28 03-23
つまり生きている。当然だ。
当然:そうなるのがあたりまえであること、道理にかなっていること。
生きていなければ親子三人仲良く自殺した、なんて電話はかけられない。
電話をかける: 过去也使用「架ける」「掛ける」。
足音を忍ばせる。木崎氏は背中を向けている。
忍ばせる:人に知られないよう隠し持つ;目立たないように物事を行う。
こちらに気付いているのかいないのか。
いるのかいないのか:存在するのか、それともしないのか。
俯いた後ろ姿は、崩れ落ちる寸前の美術館を思わせた。
崩れ落ちる:積み上げたものなどの一部分がこわれて落ちたり、全体がばらばらにこわれ落ちたりする。崩壊する。
寸前:ある事の起こるほんの少し前;ある物のほんの少し手前。
29 03-24
ベッドまでの距離は一メートル半程度。
メートル:meter。
あと三歩も踏み込めば、相手がどんな病状であれ飛びかかれる距離になる。
であれ:~であれ/であろうと/だろうが/であろうが/~あろうとなかろうと、无论…还是…,都(不)…
飛びかかれる:「飛びかかる」の可能動詞表現。相手に勢いよくとびつく。おどりかかる。「獲物に―・る」
…のだが、邪魔が入った。
のだが: 这里的の
代指前面的一整句话么?
がっ、と足元に障害物。
障害物:obstruction; obstacle.
なんだよクソ、わりとでかいぞコレーーー「ーーー」
でかい:大きい。また、はなはだしい。
30 03-25
ソレは、目を剥いたまま絶命した人間だった。
絶命:命が絶えること。死ぬこと。
警官の死体。それも二つ。どっちも首をねじきって、腹ばいに絶命してやがる。
腹ばいに:腹を地面につけてはうこと。また、腹を下にして横になること。
やがる:軽蔑や憎しみなどの気持ちを込めて、相手の動作をいう意を表す。
「こんばんは。こんなに早く来てくれるとは思わなかった」
很常见的一句话…
瞬間、戦慄で呼吸が止まった。
戦慄:恐ろしくてからだが震えること。
ーー部屋の隅。大きな姿見に、木崎さんが映っている。
映る:人の目にある印象を与える。映ずる。
31 03-26
目が合った。やばい。俺と木崎氏は鏡越しにお互い認識し、「目を見ると死ぬ」
越し:物を表す名詞の下に付いて、そのものを隔てて物事をする意を表す。
「ーー、あ」体中の筋肉が痙攣した。痛い。
痙攣:全身的または部分的に筋肉が収縮し、不随意運動を起こすこと。
ローラーで全身引き伸ばされたっていうのに、飽きずに何度も引き伸ばされるような痛み。
ローラー: roller、回転させて使う円筒形のもの。
おまけに指先一つ動かせない。強力すぎる。
おまけに:御負けに、それに加えて。その上。さらに。
たった一瞬、目が合ったと認識しただけで、こっちの命令系統をグチャグチャにされてしまった。
グチャグチャ:物事が混乱して、きちんとしていないさま。
32 03-27
足元には首を捻じ折った死体が二つ。
足元:足が地についている所。また、その周り。
目前には背中を向けたままこちらを眺める疲れた中年。
眺める:視野に入ってくるもの全体を見る。のんびりと遠くを見る。広く見渡す。
サウナのように蒸した暗室。
サウナ:蒸し風呂という入浴方法のひとつで、フィンランドが発祥とされ、ほかに遠赤外線式などサウナにもいくつかの形態がある。
いや、これ怖いって。眼球も動かせないんで目線さえ変えられない。
目線:目で見ている方向のこと;その立場における、ものの考え方やとらえ方。
何より体に命令できないんで、さっきから呼吸が止まってるんですけど。
さっき:「さき」の促音添加、時間的に少し前であること。
33 03-28
「君がその、なんだ。憑かれた人間を楽しにしてくれるっていう悪魔祓いかね。
っていう:「という」、「っていう」は会話、「という」は文章or丁寧に話す時に使われる
…ん?君、石杖さんところの所在くんじゃないか?」
ところ:住んでいる場所、住所、住居。
目は合ったままなんでリアクションはなし。
リアクション:reaction、反応。
あっちが目を切ってくれないかぎり、こっちはやられるままされるがまま。
かぎり:限り、時間・空間・数量・程度などの境や限界;その範囲の内、その制限の内。
~されるまま/されるがまま(に):他人の意向や自然の成り行きに従って物事を行うことを表します。自分の意志は少しも含まれていません。多くは良くないことに用います。 任人摆布、惟命是从。
「そうだ、所在くんだ。ついこの間退院したんだったな。入院の理由は、ああ、なんだったか。
つい:時間・距離などがごくわずかであるさま。ほんの。すぐ。
34 03-29
すまないね、ここのところ仕事が忙しくて、近所付き合いも満足にできでいないんだ。
すまない:動詞「す(済)む」の未然形+打消しの助動詞「ない」、相手に謝罪・感謝・依頼などをするときに用いる語のこと。
付き合い:人と接する、交際すること。
うちの娘は見舞いに行くからと小遣いをせがんでいたが、どうかな、一度でも娘と会ってくれたかな」
小遣い:「小遣い銭」の略。
せがむ:無理に頼む。しつこくねだる。
どうだろう。本当に見舞いに来てくれたかどうか、俺には絶対に分からない。
見舞い:病人や災難にあった人などを訪れて慰めたり、書面などで安否をたずねたりすること。
あ。いや、そもそも面会謝絶だったっけ、あの病院。
謝絶:相手の申し入れを断ること。
「まいったな。私はその、ほらあれだ、君たちが言う悪魔憑きにかかったらしい。
まいった:参った、困惑する。困る。
35 03-30
こうして部屋に閉じこもっているのも、悪魔祓いが来るまで一人になりたいからなんだ。
閉じこもる:閉じ籠もる、家や部屋から一切出ずに居る様子を指して言う表現。 自宅や自室に閉じこもって暮らすことを「引きこもる」とも表現する。
出来る限り関わりたくないんだよ、他人と。
関わる:ある事柄と関係を持つことを意味する言葉。同じ読みの言葉としては「係わる」が挙げられ、重大な事件や出来事について述べるときに用いられることが多い。「係わる」が公文書などで使用されることが多いのに対し、「関わる」は一般に用いられることが多い。
通報されるのは困るし、悪い噂は流してほしくない。
通報:情報・ニュースなどを告げ知らせること。また、その知らせ。「警察に通報する」「気象通報」
悪い噂を流す:他人を陥れるために事実でない悪口を言う 。
この歳になるとね、世間体は二番目ぐらいに気にかかるから。」
世間体:「世の中や、周りにいる人に対しての対面や体裁」のことを指し示した言葉です
気にかかる:気に掛かる;気になる、心配する、などの意味の表現。
ゆっくりと木崎氏の顔があがる。木崎氏もう殺る気満々。
殺る:「殺(や)る」は、裏社会で「殺す」という意味の隠語として用いられている言葉です。
36 03-31
待った、それ俺。その悪魔払いってのは俺ですよー。
待った:進行を一時止めること。
早まるな、話しなら聞いてやるぞー。
やるぞ:物事を開始する、自己暗示。執念、目標、意気込み。
「しかし、それも維持すべき家庭があっての事だ。
すべき:「するべき」とは、「す」、「する」という動詞に「べし」という助動詞の連体形「べき」が接続した形の語です。「べし」は、もともとは古語の「宜(うべ)し」が音変化をして成立したとされます。
下で家内と娘を見ただろう?ああなってから一日経ったが、まだ腐ってはいなかったかな。
ああなる:指し示した対象が呈している様子や状況に近くなる、または全く同じ状況になるさまなどを意味する表現。
九月といえ夏場だし、冷蔵庫に保存れたかったんだが、とてもじゃないが入りきらない。
夏場:夏のころ。夏の間。夏季。
とてもじゃないが:「とても」を強めた言い方。
37 04-01
お隣さんから苦情がくる前になんとかしたかったんだがーーーまあ、もうどうでもいい事だ。
苦情:他から害や不利益などをこうむっていることに対する不平・不満。
いや、はじめからどうでもよかったのに、なぜか二人とも私に付き合って死んでしまった。
に付き合う: 「食事に付き合う」のように、何か行動する時に、それに付き合う事を意味します。
なんて無意味な付き添いだ。
付き添う:世話などをするためにそばについている。
結局最後まで、家族は重りになってしまった。
重り:重さを増すために付け加えるもの。
木崎氏はすごしずつ振り返る。鏡越しに合っていた目線が、ゆっくりと向かい合う。
振り返る:身体を翻して後方を見る、後ろ側を向く;過去の物事を顧みる、思い起こすこと。
38 04-02
同時に、「いや、君に迷惑はかけない。これ以上誰かが死ぬ前に自殺するよ。
迷惑をかける:発言者の、迷惑をかける相手に対しての反省、謝罪といった意図が込められています。
本当はとうに死んでいる筈なんだが、どうしてか私だけ上手く死ねない。
筈:事が当然そうあるべきだの意を表す語。予定や道理。
昨日の夜も、まず私が自分で首を回した筈なんだが」
这句实在没啥可以讲的…
首が。俺の首が、木崎氏の動きに合わせてキリキリと横を向いていく。
キリキリ:物が強く擦れ合う音を表す語;激しく回転するさま…
横を向く:無視したり拒絶したりする。(当然这里没有那个意思)
「一人で死にたかったんだよ。家内には黙っていたがね、会社も一週間前に辞めている。
黙る:ものを言うことをやめる。無言になる。また、泣くのをやめる。
辞めている:継続動詞を「~ている」形にすると、進行中の意味になり、瞬間動詞を「~ている」形にすると、結果の状態の意味になります。
39 04-03
疲れた、疲れたんだ。今まで疲れている事に気付かなかったほど、本当に疲れていたんだ。
気付く:それまで気にとめていなかったところに注意が向いて、物事の存在や状態を知るのこと。
私ももう五十過ぎだ。そろそろ自由になってもいい頃じゃないか?」
这句实在没啥可以讲的…
仮に、背中を向けていた木崎氏の首が零度だとするなら、今は二十五度。
仮に~だとする:常用句型,表假设。
まずい。今回の悪魔憑きのカラクリが、なんとなく読めてきた。
カラクリ:絡繰り、機械などが動く原理。
「なのに家内は反対してね。勝手に会社を辞めるな、
勝手:他人のことはかまわないで、自分だけに都合がよいように振る舞うこと。
40 04-04
貴方は貴方だけの体じゃないのよ、
貴方:妻が夫に対して、軽い敬意や親しみをこめていう。
貴方にはわたしたちを養う義務がある、だそうだ。
養う:自分の収入で家族などが生活できるようにする(扶養する);衣食などのめんどうを見ながら育てる(養育する)。
実にひどい剣幕だったな。
剣幕:怒って興奮しているようす。いきり立った、荒々しい態度や顔つき。
いや、長年連れ合ってきたが、あれだな所在くん。
連れ合う:行動を共にする(連れ立つ); 夫婦になる(連れ添う)。
女のヒステリーというのはとんでもなく興醒めするよな。
ヒステリー: 德语Hysterie、感情を統御できず、激しい興奮・怒り・悲しみなどをむき出しにした状態。さまざまな感情的葛藤 (かっとう) が原因となって起こる一種の神経症。
とんでもなく:後に続く言葉の程度を強める言い回し。
興ざめする:がっかりして興味が失われるさま;物事の趣のある部分をなくすこと。
41 04-05
思うんだが、アレは女性だけの特技だ。
特技:特別の技能。「特技を生かす」
私たち男はプライドばっかり高いんで、あんなふうに子供に戻る事はできないんだ」
プライド: pride、誇り、自尊心、自負心を意味する。
四十度、六十度。木崎氏の首に倣うように、俺の首も回っていく。
「~てくる」「~ていく」:方向性を表す「日が沈んでいった」、動作が継続している「今まで6年間も教えてきた」、変化している「寒くなってきましたね」。
ちなみに九十度でほぼ真横。
ちなみに:因みに、前に述べた事柄に、あとから簡単な補足などを付け加えるときに用いる。
その先は、まあ、どう贔屓したって百二十度あたりが限界だろう。
贔屓:気に入った人を特に引き立てること。後援すること「贔屓を受ける」。
42 04-06
「断っておくと、私だって一家心中なんて望んじゃいなかった。
望む:物事がこうであればいい、自分としてはこうしたい、こうなりたい、また、なんとか得られないものかなどと、心に思う。
じゃいない: …ていない的口语表达。
ただ一人になりたかっただけなんだ。理由は…ああ、なんだったかな。
なんだ:疑問を表す;感動詞的に用いて、意外なことにあきれたり、がっかりしたりする気持ちを表す;話題にする事柄がたいしたことではないという意を表す;直接言うのがはばかられたり、適当な言い方が見つからなかったりする場合に、代わりに用いる語。
そもそも会社を辞めた理由は、そうだ、この歳になって手痛い失敗をしてね。
手痛い:与えられた損失などが非常に大きい。また、受けた攻撃や非難などが容赦なくきびしい。
なんとか数字を埋めようと金を工面したが焼け石に水だ。
工面:いろいろ手段・方法を考えて手はずを整えること。特に、なんとか工夫して金銭を用意すること。
焼け石に水:わずかな努力や援助では、ほどんど効果がない事を意味しています。
上は首を吊れというし、借金で首は回らないしで、生きているうちに立て直す事は不可能だった」
首が回らない:借金や支払いの金額が多く「どうやってもお金のやりくりがつかない」状態。
立て直す: 倒れたり傾いたりしたものを直して、もとどおりに立てる;悪くなったものを、再び以前の状態に戻す;それまでの計画・方針などをやめ、改めてもう一度立てる。
43 04-07
九十度、百度。ギチ、と首の骨の軋みが沁みる。
沁みる:心や体に刺激を感じること。
こっちの首はもう回らない。人体はそういう風に出来ている。
出来る:作りや構造がそのようである。
だがーーー木崎氏の首は実に滑らかだ。
滑らか:[形動]すべすべしているさま。なめらか。
脊髄:脊椎動物の中枢神経系の一、小说中注音和读音不同。脊髄がスライド式にでもなったのだろう。
スライド:slide、滑ること。滑らせること。
アレ、三百六十度マルチウェイ。
マルチウェイ:multiway、低音・中音・高音用など複数のスピーカーを組み合わせて構成する方式。
44 04-08
「だから一人で死のうと思ったのに、家内と娘は反対した。
死のう:「死ぬ」の未然形である。
いや、死ぬならせめて金を残す死に方にしてくれと反対した。
死に方:死ぬ方法。
馬鹿な話だ。そういうのが面倒くさくなったから死ぬんだって、あいつらには最期まで分からなかった。
最期:命の終わるとき。死にぎわ。臨終。末期 (まつご) 。
だからね、何も言わず家内の前で自殺したんだが、何か魔が差したのかな。
魔が差す:悪魔が心に入りこんだように、一瞬判断や行動を誤る。出来心を起こす。
家内も娘も、私につられて首を捻って自殺してしまった」
釣(つ)られて:ある物に誘われる、促される、または相手に思わず合わせてしまう、などの理由で動作を行うこと。
45 04-09
それ、おまえの仕業。
仕業:多く人にとがめられるような行為についていう。
百二十度。百三十度。首が回る。木崎という悪魔憑きにつられて、周囲の人間の首が回る。
周囲:もののまわり;まわりの長さ。
木崎氏が悪魔憑きによって得った病状。
病状:病気の状態・ようす。
患部は首、それによって新しく生まれた新部は煽動、原因は過労といったところか。
新部:这里小说注音为機能
。
煽動:気持ちをあおり、ある行動を起こすようにしむけること。
地獄に落ちろ。木崎氏は自分の病状に気がつかないよう思考を閉ざし、こうして他殺自殺を繰り返している。
閉ざす:何かですっかりおおって、動きがとれないようにする。閉じ込めて、出られないようにする。
46 04-10
あのおっさんと目が合った人間は、あいつと同じ動きを強制されるのだ。
おっさん:《「おじさん」の音変化》中年の男性を親しんで、また、軽くみてよぶ語。
冗談じゃない。おっさんは首がスライド式だからどうってコトないだろうが、人間は首なんて回らない。
どうってことない:「どうと言うこともない」「どうって言うことはない」などを略した話し言葉。特別問題にする事柄のないさま、問題にならないさまなどを意味する表現。
死ぬ。あと数秒で、俺は、
这可以看成是倒装句么?
「でもまあ、思ったんだ。私に家族を養う義務があるのなら、家族にだって、私と一緒に死ぬ義務があるんじゃないかってね。
あるのなら:名詞(時々動詞)の後は「〜なら」、動詞の後は「〜のなら」。あとは、「〜のなら」の方が丁寧に聞こえます。「〜なら」を動詞の後で使う時はある程度親しい間柄です。
だって私がいなかったら生きていけないんだろう?それが本当なら、私と一緒に死ぬべきだ。
逻辑鬼才。
47 04-11
家内と娘はそれを実行したんだろうさ。実に重苦しい。
実行: 実際に行うこと。
そんなにまでして命を繋げたいなんてね。
名詞+までして:最大の犠牲や代価を払ってある目的を達成することを表します。目的を達成するためには手段を選ばないニュアンスがあります。
まったくーーー繋がれた家族愛というのは、無自覚の地獄だな。」
家族愛:恋愛感情とは異なる家族の愛情。
木崎氏の顔が真後ろを向く。
真後ろ:まっすぐ後ろの向き。
きっかり百八十度、木崎氏の首はキレイに回り、俺の首は不出来にまわ、ぼきっ。
きっかり:時間・数量などが正確で過不足のないさま。かっきり。ちょうど;きわだって、はっきりしているさま。
不出来:出来(ものができること。できあがること)が悪いこと。また、そのさま。
ぼきっ:グキッ・ボキッ、擬音。骨や関節のダメージ表現に適しています。
48 04-12
フンフンという息遣い。
フンフン: 匂いをかぐ時の鼻息の音またはそのさまを表わす語;他人のいうことに気軽に同意してうなずく際にいう語。
息遣い:呼吸のようす。また、呼吸の調子・しかた。
黒い犬がスライド式の首を探している。暗い部屋だが問題ない。
这句实在没啥可以讲的…
黒い犬は盲目なので、初めから光を必要としないのだ。
盲目:目の見えないこと; 他のものが目に入らず、理性的な判断ができないこと。
義手をなくした左腕が、首をなくした首から、形を成した無形を釣り上げる。
形をなす:ものが形づくられること;目に見える物として存在しているさま。
無形:形に現れないこと。
ーーーよしよし。さ憎悪(仮名)ちゃん、ゴハンの時間だよ。
憎悪:ひどくにくむこと。にくみ嫌うこと。
49 04-13
空が近い。目覚めた瞬間、視界は水に覆われていた。
視界:目で見通すことのできる範囲;考えや知識の範囲。
覆う:あるものが一面に広がりかぶさってその下のものを隠す。
「あーーえ…?」空が、海になっている。陽射しは白色。
陽射:太陽の光やその照り具合、などを意味する表現。
光は水流に揺られながら、俺と、石造りの部屋に降りそそぐ。
揺られる:《動詞「ゆ(揺)る」の未然形+受身の助動詞「れる」から》揺り動かされる。
降りそそぐ:そのものの上に集中的に降りかかる。「さんさんと―・ぐ日の光」「反対の声が―・ぐ」
鮮やかな青の中、ざあ、と黒い魚影が流れた。
ざあ: (多く「と」を伴って用いる) 雨が突然激しく降り出す音、また、水が瞬間的に勢いよく流れる音を表わす語。
頭上の海には、一匹の巨大な魚が泳いでいる。
这句实在没啥可以讲的…
50 04-14
白色の陽射しを掠める魚影。
掠める:一瞬の間だけ発生して消える。
体長は二メートル強。
1m(メートル)強とは「1mを少し超えた時間」のことを表します。具体的には、「1m1cm~1m10cm程度」といった距離を示しているのです。
シルエットだけでいうなら鮫そのものだ。どんな魚かは知らない。
シルエット:フランス silhouette、後方から光が当たって浮かび上がった風景や人物などの輪郭。
鮫:サメ目の軟骨魚の総称。体は細長く、背びれは通常2基あり、尾びれは上葉が長い。
真水に棲める鮫がいるのかと訊かれれば答えに困るが、
真水:塩分などのまじらない水。淡水。さみず。
棲める:棲む、動物が巣を作って、その中で生活する。生息する。
訊く(尋ねる)、訊かれる、訊かれれば。
そもそも、アレは本当に魚なのか判別できない。
判別:(スル)はっきり見分けること。区別すること。「品種を判別する」「善悪を判別する」
51 04-15
魚影が遠ざかる。
遠ざかる:遠くに離れてゆく;疎遠になる。うとくなる。
俺の視線に気に食わないのか、魚はより高くーーより深い深海に消えていった。
気に食わない:自分の気持ちに合わないので、不満に思う。
天地が逆転したような錯覚。
逆転:それまでとは反対の方向に回転すること;事の成り行きなどがそれまでとは反対になること。
だが見慣れた光景。
見慣れる:何度も見てよく知っている;なれ親しむ。
なんという事はない。天井がガラス張りで、その上に巨大な水槽があるだけだ。
ガラス張り: ガラスを張ってあること;内部がよく見えること。
52 04-16
いや、巨大な水槽の下にこの部屋がある、という方が正しいか。
这句实在没啥可以讲的…
ここは地下室だし、頭上の海は海でもなんでもなく、ただの古びた貯水庫だ。
~でも何でもない/くも何ともない:強い否定を表し、良い事にも悪い事にも使えます。人や物事に対する評価によく用います。
天井が貯水庫といういかれた地下室は、
貯水庫:水を貯める施設・設備のこと。
いかれる:頭の働き・考え方などがまともでなくなる。
中世の城の一室をそのまま持ち運んできたようなアナクロさ。
アナクロ:アナクロニズム、Anachronism、時代に遅れたり逆行していたりするさま。
ここは支倉市の端。郊外の森にある、迦遼海江の住居である。
支倉不应该是はせくら
么?这里的注音不太懂。
住居:住んでいること。
53 04-17
「あれ。アリカ、起きたの?」
たの:〜たか。疑问语气、口语。
部屋の中央、天蓋付きのベッドから中性的な声がする。
中性的:相対する2つの性質の中間に位置するさま。どちらとも言い切れない、またはどちらの性質も兼ね備えている様子などを意味する表現。特に、男性的・女性的な雰囲気の両方を持ち合わせている人を指して言うことが多い。
ここからだと陰になって顔は見えないが、アレがこの部屋の主だ。
主:普通は「ぬし」でしょうか。お城など規模が大きくなってくると「この城の主(あるじ)」だったりいいますよね。
いや、どこから見いようとあいつの姿は陰になって見えない。
陰:影は、光が物体に遮られて、光源と反対側に現れる暗い部分;陰は、物に遮られ、日光や風雨が当たらないところのこと。
真横でなければ顔が見えないよう、あのベッドは計算尽くで配置されている。
計算尽く:損得を考えたり、結果を予測したりしたうえで行うこと。
配置:人や物をそれぞれの位置・持ち場に割り当てて置くこと。
54 04-18
地下室は正方形の、巨大な箱のような造りをしている。
造りをしている:这里している
是表示做成这个样子的状态吧。
天井はガラス張りで、周囲はレンガを積み重ねたような石の壁。
レンガ:粘土に砂・石灰などを混ぜて練り、長方体などに成型し、乾燥して窯(かま)で焼いたもの。ふつうは酸化鉄を含む粘土を用いた赤煉瓦をいう。
積み重ねる:上へ上へと積んで重ねる。「煉瓦(れんが)を―・ねる」
部屋の四方にはそれぞれドアがあるが、
四方: 四つの方角;周囲。
出入り口である南以外のドアは開けた事がない。
「することはない」と「することがない」:「動詞の辞書形+ことはない」は中級文法項目の一つで、「~必要がない」という意味です;「~ことがある/ない」は”私は大阪に行くことがない(ので、大阪の事情を知らない)”。のように、普段それをする「機会があるかないか」を意味します。こちらは肯定・否定両方が使われます。
内装は生活感というものがまるでなく、唯一の電化製品は部屋の隅にある小さな冷蔵庫だけ。
内装:建築物などの内部の設備や装飾。
電化製品:電気を動力源とする機器のこと全般を言うものである。
55 04-19
部屋のいたる所に散らばったアンティックの群れは統一感がまるでなく、
至る所:行く先先どこでも。また、あらゆる所。
アンティック:antique、「古い」、「古代の」、「古風な」という意味。
見ようによってはガラクタ倉庫とも取れるだろう。
〜よう / 〜ようによっては:〜のやりかた;〜する様子。前項で述べる方法や状況が異なると結果も変わってくることを述べる文法です。
ガラクタ:使い道や値うちのなくなった雑多な品物や道具類。「瓦落多」「我楽多」は当て字。
取れる:そのように解釈できる。理解される。「どちらにも―・れる説明」
「悪い、寝てた。寝てる間に何か用でもあった?」
何か用: 说的客气点可以用「どのようなご用件でしょうか?」
「別になかったよー。けどま、起きたなら働いてよ。
「たら」と「なら」:どちらも条件を表します。そして、条件には仮定条件と確定条件があります。「なら」は仮定条件しか使えませんが、「たら」は仮定条件と確定条件の両方に使えます。また、「たら」は過去の意味を含みます。そのため、仮定条件の「たら」と「たなら」はほぼ同じ意味です。
のど渇いちゃったから、お水ちょうだい」
渇いてしまう>渇いちゃう>渇いちゃった。
ちょうだい:相手に何かをたのみ、求める語。
56 04-20
目が覚めたばかりだ。イヤな夢の名残か、
名残:ある事柄が過ぎ去ったあとに、なおその気配や影響が残っていること。物事の最後。人と別れるときに思い切れない気持ちが残ること。
首が捻れていない事を確かめつつソファーから体を起こす。
捻れる:細長いものが、くねり曲がる。 気持ちが素直でなくなる。
溜める: 少しずつ集めて量をふやす。この部屋に水道は通っていない。水といえば冷蔵庫に買い溜めした蒸留水だけだ。
蒸留水:蒸留によって精製した水。溶解物を含まない、無色透明・無味無臭の液体。
部屋の隅、山のように積み上げられた地球儀と、
積み上げる:物の上にさらに積む。物を高く重ねる。
それに埋もれかけた冷蔵庫へのんびり歩いて、ばこん、と片手で開扉。
埋もれる:砂や土などに覆われて見えなくなる。埋没する。
57 04-21
…シット、なんだこの一面まっ黄色な冷蔵庫。
シット:shit、大便、くそ;失敗したり、うまくいかなかったりしたときに用いる語。くそったれ。ちくしょう。
「色のついた飲み物しかねーんすけどー!」
ねーんす:口语常用、ない。
「水が切れてるならそれでいいよー。どうせならグレープフルーツねー」
切れる:売れたり使いきったりして今まであった物がなくなる。
グレープフルーツ:grapefruit、亜熱帯を原産とする柑橘類である。柚子。
寝たきりのクセに健康的なヤツだ。下手すると俺より元気そうなのは、そのあたり気を使っているからなのか。
気を使う:「周りの人や出来事に細かく心づかいをする」。「気遣い」とはうまくいくように、失敗しないように気を遣うこと。
食事の選択一つとってみても差がつくのが人間なら、雑食まみれの俺は長くない。
差がつく:二つのものの間に違いが生まれ、その程度が大きくなるさま。
まみれ:マイナスのものにだけ使う。
58 04-22
でもいいんだ、俺たちジャンクフード大好きだから。
ジャンクフード:junk food、栄養価のバランスを著しく欠いた調理済み食品のこと。
毎日メシ代を安く浮かせて、おまけに長すぎる命を削ってもらってるなんて二度美味しい。
浮かす:経費・時間などの使い方を工夫して余りが出るようにする。切り詰めて余りを出す。「宿泊費を―・す」
ファーストフードの薄い果汁炭酸飲料を忍びつつ、お高いグラスに薄い黄色を注ぐ。
忍ぶ:つらいことをがまんする。じっとこらえる。耐える。
グラス:glass
注ぐ:流し入れる。また、容器に水などをつぐ。
冷蔵庫横の壁の姿見には片腕の男が映っている。
姿見:全身を映す、大型の鏡。
嫌な絵づらだ。この男には本来有るべき左腕が欠けている。
絵づら:絵面、絵や情景などから受ける印象・感じ。視覚的な印象・面白さ。
这里注音为小说自带,非单词读音。
59 04-23
この腕から下がバッサリ無いのである。
バッサリ:刃物で勢いよく、または思い切りよく切るさま。
悪役ロボットみたいでカッコイイと思うのだが、そんな強がりじゃ片腕の不便さは拭えない。
強がり:弱みを見せまいとして、虚勢を張ること。
拭う:ふいてきれいにする。 汚点などを除き去る。また、消し去る。
俺は二年前、ちょっとした事故で左腕を失った。
ちょっとした:大したことではない。わずかな。
いやもう見事に、どうやったらこんな綺麗に無くせるんだっていうぐらいサッパリ無くしてしまった。
サッパリ:あとに何も残らないさま。すっかり;物事の状態が、非常に好ましくないさま。
幸い本当に無くしただけなんで命に別状はなく、一年半のリハビリを経て退院。
別状:普通と変わった状態。異状。
リハビリ:リハビリテーション、rehabilitation、身体に障害のある人などが、再び社会生活に復帰するための、総合的な治療的訓練。
経つ:時が過ぎる。
60 04-24
職探しや人付き合いに多少面倒があるが、片腕である自分に不満はない。
多少:数量の多いことと少ないこと。多いか少ないかの程度。
こうして地味なバイトでなんとか小金を稼いでるし、
地味:形や模様などにはなやかさがなく、目立たないこと。
小金:いくらかのまとまった金銭;少額の金銭。
稼ぐ:生計を立てるために、一生懸命に働く。
恵まれている方だと思う。
恵まれる:よい機会・境遇・才能などが運よく与えられる。
しいて言うなら一人で靴紐が結べない、
強いて言うなら:適当な表現が思いつかないが、あえて言うとすれば、といった意味合いで用いられる表現。「強いて言えば」も多く用いられる。
靴紐:靴の甲の穴やフックをとじ合わせて、靴が脱げないように結ぶひも。
なんてコトがえらくショックだった事ぐらいだ。
ショック:shock、人体や物が受ける物理的な衝撃。
61 04-25
「早く早くー。アリカアクションおそいー!」
…这句实在没什么可说的
冷蔵庫を閉めてわがままな雇い主の下へ急ぐ。
わがまま:自分の都合を中心に物事を考え、行動するさま。他人の都合を顧みないさま。
雇い主:人を雇って使う人。使用者。雇用主。
うまく歩けない。どうやら首を寝違えてしまったらしい。
寝違える:睡眠時の姿勢が悪くて、首などの筋を痛める。
「ありがと。いや、実に五時間ぶりの水分補給だ」
「~ぶり」:「久しぶり」という言葉もあるように、ある程度の時間・日にちがたったあと、ようやくその前の状態が再び起こる。
部屋の主はわずかに首を起こしてグラスを受け取った。
わずか:僅か、数量、程度などが小さいさま。
62 04-26
黒い、作り物の右腕。迦遼カイエはごくんと、
作り物:人の手で実物そっくりに作ったもの。まがいもの。人造物。模造品。
ごくんと:何かを一息に飲み込んだときに、のどが鳴る音を表す語。「苦い薬をごくんと飲み込む」。
淀みのない動作で黄色の液体を流し込む。
淀み:水や空気などが流れずにたまっていること;物事が順調に進まないこと。
流し込む:流して中へ入れる;新聞や雑誌などのレイアウトで、一定のスペースに記事を切れ目なく配する。
「ごちそうさま。で、うなされてたけど、どうしたの」
うなされる(魘される):恐ろしい夢を見たりして、思わず苦しそうな声を出す。
「どうって、つまんねえレイトショーをはしごした感じ。
レイトショー:late show、映画の深夜興行。映画の上映開始時刻が夜20時台ないし21時以降で、上映終了時刻が概ね深夜23時前後に及ぶ上映回のことである。
はしごする:何軒ものお店を連続して渡り歩くこと、という意味です。
……って、おまえに言ってもわかんねえか、そっか。」
…这句实在没什么可说的
63 04-27~05-02
快到五一了,丝毫不想学习…
64 05-02~07.31
果然又鸽了,先是忙论文、打游戏,之后又准备工作…